新Q&A3変質者

新Q&A3変質者

以後の会話は雑誌「アディクションと家族」の編集会議でのものである。次々号の特集「クレプトマニア(窃盗癖)」の総論を誰に書いてもらおうかと話している中で私は、この用語はもともと古典フランス精神医学のモノマニー論から出てきて、それは「変質者」概 ...

新Q&A3変質者

新Q&A3変質者

(続き)  「クレプトマニー」はここに登場し、それは変質徴候のひとつと考えられていたのです。この一覧表をごらんになれば「嗜癖学的人間論」の唱道者を任じる私にとって見逃せない考え方だとわかるでしょう。 ちなみに身体的な変質徴候としては吃音、斜 ...

新Q&A3変質者

新Q&A3変質者

(続き) 「変質者」概念が消えたとはいえ、「悪魔的に冷血な犯罪」そのものは絶えたわけではありませんから、それを犯す者に素因的な裏付けがあるのではないかという考え方は連綿と続いています。例えばアメリカの犯罪捜査で用いられる「サイコパス」という ...

新Q&A3変質者

新Q&A3変質者

(Q)「変質者」概念は「ヒステリー」とも関連していそうですね? (S)そうです。むしろ変質者という概念は、古いヒステリー概念から派生したものだと思います。 ヒステリーそのものは紀元前5〜4世紀のギリシャの医師ヒポクラテスによって「女性に固有 ...

新Q&A3変質者

新Q&A3変質者

(続き) シャルコーは当時流行していた催眠技法によってヒステリー症状が増悪したり消失したりすることをつきとめました。 彼は、これが女性に特有の病気ではないということを証明することにも熱心で、女性のための精神病院であるサルペトリェールに男性専 ...

新Q&A3変質者

新Q&A3変質者

(続き)  要するに、モレルもマニャンも精神医学プロパーの人々で、こうした人々にとっては変質概念のような遺伝性を持って一定の進行段階を示す精神の病理という考え方が魅力的だったのでしょう。 早発痴呆にも少なくとも当初はそうした見方がありました ...

新Q&A4変質者

新Q&A4変質者

(Q)ヒステリー概念は解体されたということですが、変質者概念はその前に消されてしまったわけですね。現在の精神医学では、変質徴候とかヒステリー徴候とかはどんなところに位置づけられているのですか? (S)変質徴候の多くはオナマトマニア(名称強迫 ...

新Q&A4変質者

新Q&A4変質者

(続き) 一方、ヒステリーの方は既にDSM第3版(1980年)の段階で解離性障害や身体表現性障害への呼び換えが提唱されていて、第4版にはまったく出てきません。世界保健機構によるICD(国際疾病分類)第10版でも同様です。身体表現性障害の下位 ...

新Q&A4変質者

新Q&A4変質者

(続き)  こうした領域は精神医学の中の薄暗がりとも言える場所になっているのですが、もう一度しっかり照明を当てるべきだと思っています。特に最近、麻原彰晃と呼ばれた男性に接見したり、秋田県の団地で生じた男児殺害事件の犯人女性をテレビで見たりと ...

新Q&A5変質者

新Q&A5変質者

 昨年は「星の王子さま」の新訳がいくつか出て話題になった。 その際、焦点になったのは apprivoiser というフランス語の邦訳で、「仲良くなる」や「友だちになる」などとも訳されたようだが、ここはやはり内藤濯訳による「飼い慣らす」しかな ...