共依存と仕事との境界がわかりません(質問)

質問依存症

読者からの質問

◇28才女性
2004年の1月からフロイトラインで電話相談をしてきました。ACです。
いろいろなことがあったものの、自分なりに試行錯誤しながら今では「とりあえず」大きな山を乗り越えたと感じています。分かり合える努力ができる、と感じられる恋人もでき、電話相談を一度打ち切ろうと決めました。時間を作り、地元でのセルフヘルプグループに顔を出せればと考えています。

image051202.jpg そうした流れの中で気がついたのが、自分の依存症、ワーカーホリックで浪費家(時間や金)であるということです。
仕事柄、共依存と仕事との境界がどこにあるのかわかりません。家庭的に恵まれない生徒、問題を抱えた生徒とかかわるとき、何と言うか血がうずくような感じがします。そうして、周囲(とくに家庭)に対して「本当はこうあるべきなのに」ということを強く考えてしまいます。
実際には家庭に踏み込みませんが、「このままでいいのか?」と自分の中で踏ん切りがつかず、いつでも問題をかかえた生徒のことが頭の中でいっぱいになります。そして、生徒理解のためと考え、(それが名目であろうと自分でも気がついているのですが)つい書籍を買あさってしまいます。部屋は散乱しているのに本棚にはそのような仕事に関する資料が詰まっています。

===
恋人との関係では極度な依存関係ではないと思っています。
父はまるでアル中でのようでした。食道がんで死にました。母は看護婦でしたががんで死にました。今思うと「共依存とはこのような関係のことなのだろう」と思います。2人の死に際やその際の出来事は今でもはっきりと思い出せますが、現実味はありません。法事には行きますし実家に行けば仏壇に手を合わせますが、お盆やお彼岸には実家に寄り付きたくありませんしお墓参りもしていません。

話が広がりましたが父母の関係では、共依存で両方とも嗜癖があったと感じます。父はアルコール、ニコチン、それとギャンブル(生活に支障の無い程度)母はワーカーホリック。それと同居の家族である祖母とおばもまた共依存関係の母娘であると思います(現在も)。
めどはつきそうなのですが、弟が知的に低いほうで、社会に出てからさまざまなトラブルに巻き込まれるので、その原因を考え、改善方法を探る、親代わりになって手助けする、という作業を姉と協力して取り組んでいます。それは姉が母的、私が父的な役割を果たしていたといえるかもしれません。

そのような環境で育ったせいか、健全な他者との関係のとり方がよくわからないのかもしれません。困っている人を助ける・・・どこまで手助けするのか?仕事をきちんとやる・・・どこまでがきちんとか?自分を大切にする・・・そんな時間は無いのではないか?などなど、自分で線引きをすることができないのかもしれません。どうしたらいいのか不安があります。(身近なモデルが消えてしまったので当然といえば当然なのかもしれませんが)。
友人に話してもなかなかうまく伝わらないので、これからの人生で何を頼っていけばいいのか心配です。ついインターネットや仕事などにのめりこんでしまい、時間がすぎていきます。自分の人生なのに楽しめません。いつも何かに支配というかコントロールされているような気がします。

どのようにすれば、自分らしく生きられるのでしょうか。また、生徒のことで頭がいっぱいにならずに済むのでしょうか。やはり仕事をやめるしかないでしょうか。健全な精神状態を保つ秘訣がありましたら教えてください。

斎藤学からの回答

生徒のことで頭を悩ますのは疲れるでしょうが、充実していませんか。もしそうであるのなら、それを捨てるのは勿体ない。
あらゆる習慣は、有害な時にだけ「依存症」と呼ばれるのです。共依存“症”など気にされずに生徒の家庭の問題を考えて下さい。それをするために読む本はあなたの身につくでしょう。お仕事を辞めても良いことはないと思います。
斎藤学

新刊のお知らせ

斎藤学言葉集斎藤学言葉集(Kindleページにジャンプします)
トラウマ、サバイバー、家族問題、虐待、依存症、ひきこもり、自分らしく生きる…
これらの問題に長年取り組んできた精神科医斎藤学による講演集です。 講演会場での臨場感あふれる言葉の中に、生きてゆくヒントをたくさん見つけることでしょう。

依存症

Posted by iff