2006年07月の一覧
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2006年07月03日
CBT講座初日(8)否定的な感情を変化させることについて(2/2)
(前回より)
C:分かりますが、嫌な感情を何とか消してしまいたいと思うのはいけないのですか。
T:もっともなことですよね。
一例ですが、あなたが交通の激しい交差点に立っているとします。目の前の歩行者用の信号は赤を示しています。そしてあなたは、横断歩道を渡らずに目の前を通っていく車を何となく見ています。
その時、あなたは特に何の感情も感じていないかもしれませんが、いざ赤信号で目の前を車が走っている時に横断歩道を渡るということを想像してみると、「怖い」という感情が出てくることが予想されそうですよね。
すなわち、あなたは赤信号だから止まっているだけではなく、「今は渡ると危険」という考えを持っていることになります。
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夜中に見晴らしの良い交差点で、人っ子一人いないのに渡りたい方向の歩行者用信号が赤を示している時、あなたは信号が変わるまで待っているでしょうか。
待っている方は、交通法規を守っており、交通法規を守ることで身を守れるのだということを理解しているのですから素晴らしいですよね。
待っていないと言う方も多いと思います。その方も、状況の判断が出来、そのことに自分で責任を取っているのですから問題はないですよね。
このことは警察の方には黙っていてください。そしてこの状況を考えてみると、「怖い」という感情はあなたを危険から守ってくれていることがはっきりすると思いますがいかがでしょう。
つまり、「怖い」という感情がなければ逆に「怖い」ことが起こるのです。
いかがでしょうか。「怖い・恐怖」などは嫌な感情として取り上げ易い感情の一つでしょう。
ただ、今説明した感情にプラス・マイナスはないのです。嫌な感情も何らかの働きがあるのです。そして私たちが感じた感情を感じていたいものとあまり感じたくないものと分けて考えているだけなのです。
2006年07月03日 16:39:[←ブログメインに戻る][←IFFトップページへ][↑ページ上端へ]
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2006年07月06日
CBT講座初日(9)感情の把握のワーク(1/2)
T:さて、感情についての説明をさせてもらった所で、ここから少し皆さんに実習に取り組んでもらおうと思います。まずは感情探しの練習からです。
既に先ほどの状況を確認する際にも書かれていましたが、感情とはどのようなものかを簡単に確認しておきたいと思います。
ここで捉えていきたい感情とは、喜怒哀楽の喜び、怒り、哀しみ(悲しみ)、楽しみといった単語で示される感情のことです。
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出来るだけ沢山、皆さん生まれてこの方感じたことがあったり知っている感情を全て書き出してみてください。
あなたの持つ気分、情動の言葉
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以下のの気分一覧表を例に参考にしていただいても結構ですよ。
◇感情一覧表
憂うつ 不安 怒り(激怒) 罪悪感 恥 悲しい(哀しい) 困惑 おびえ いらだち 心配
誇り 不満 うんざり 傷ついた 快い 失望 恐怖 嫌悪 楽しい 愛情
屈辱感(悔しい) さみしい 寂寥感 喜び 感謝 せつない
2006年07月06日 17:09:[←ブログメインに戻る][←IFFトップページへ][↑ページ上端へ]
2006年07月10日
CBT講座初日(10)感情の把握のワーク(2/2)
T:他にも沢山の感情の言葉があると思います。各自で書き出してもらったものをシェアして出来るだけボキャブラリーの数を多くしていただきたいと思います。その中で、感情かどうか分かりにくかったものなども検討してみてください。
C:もやもやする、というのは感情でいいのですか。
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T:大切なことですね。もやもやは感情としては私は認定していません。なぜならば、もやもやといったものは感情がはっきりしないからもやもやしているのであって、その中にその状況に応じた不安や焦りや苛立ちや恐怖などが混ざり合っていると思われるからです。
このように感情をなんとなくまとめて捉えていきやすい言葉があると思いますが、まずは今説明したように感情を細かく見てあげて下さい。
以上のことが分かった上で、それでもやはりこの言葉は感情の言葉ではないかもしれないが、この言葉を感情の言葉として使いたい、という方がいた場合にはそれは結構です。
その場合には、その言葉の中もある程度理解されているのでしょうから。なんとなくはっきりしない言葉をはっきりしないままに使っていくことが、感情を濁らせていきます。そしてそれらは自分がどのようにやっていきたいのか、自分がどのような状況にいるのかを気づきづらくさせることがあるので気をつけてください。説明は足りましたか。
C:はい。今のところは。
2006年07月10日 16:35:[←ブログメインに戻る][←IFFトップページへ][↑ページ上端へ]
2006年07月13日
CBT講座初日(11)状況を理解する(思考・感情・行動・身体・状況のかかわり)
T:今、感情について説明しながら状況についても少しふれましたね。CBTでは図1-1のように思考・感情・行動・身体・状況の5つの側面から状況を捉えることを勧めています。
これら5つは全てお互いに影響をし合って、一つに適切な変化を促せた時にその他の側面にも変化が広がっていくと考えています。
===
先ほど述べたように、思考を何とかしても良いですし、行動からアプローチを始めても良いですよね。ただ、感情に直接的にアプローチをするには適切なアプローチが完成していないのが実情です。「今から良い気分になってください」と言われてもすぐにそうするのが難しいようにですね。多少は接し方やコミュニケーションの方法とか感情に直接的な変化を促すポイントもありますけどね。
現在の状況において、前述の5側面は全て一定のつながりを保っていて、状況が変われば、また異なった思考、感情等が生まれます。問題を把握していく際に、現在の状況を理解していくことは大切です。
2006年07月13日 17:08:[←ブログメインに戻る][←IFFトップページへ][↑ページ上端へ]
2006年07月18日
CBT講座初日(12)問題に気づこう
T:さて、ここでは先ほどの5側面の説明に従って自分のいる状況の確認をしてみましょう。実際に問題が何であるのかをはっきりさせることは当然のことのようですがとても重要なことで、実際には具体的にリストアップされていることが少ないのです。
なんとなく分かっているという方もそれを書き出してみると、問題が分かり易くなるものです。難しい方は一緒にやってみましょう。
◇Aさんの状況
状況:(今あなたが気になっていることは?)
ちゃんと復職できるだろうか また対人関係で気持ちが落ち込むのではないだろうか
思考:(問題状況でどのようなことが頭に浮かんでいるのか?自分自身に対してどのようにとらえている?)
なにか問題になるようなことをしていないだろうか 他の人にどう思われただろう
気分:(問題状況で浮かんでいる感情を単語で並べてみるとどのようなものがある?)
憂うつ 不安 焦り
行動:(問題状況で自分がしている行動は?変えたいと思っている行動は?)
消極的で自分から話しかけない 問題を直視しない 問題がありそうなら回避する
身体:(現在の身体的な問題は?問題状況と付随していると考えられるものも、そうでないものも全て)
体が重い 汗をかく 動悸がする 頬が紅潮する
◇Cさんの状況
状況:(今あなたが気になっていることは?)
ひきこもり 社会で適応していない 治療に長らくかかり続けている
思考:(問題状況でどのようなことが頭に浮かんでいるのか?自分自身に対してどのようにとらえている?)
このまま治らないのではないだろうか 私はおかしい どうしてよいのか分からない
気分:(問題状況で浮かんでいる感情を単語で並べてみるとどのようなものがある?)
苛立ち 恐怖 怒り 不安 自己嫌悪 劣等感
行動:(問題状況で自分がしている行動は?変えたいと思っている行動は?)
ひきこもる 人と関わらない 調子が良い時には相手に合わせる どなる
身体:(現在の身体的な問題は?問題状況と付随していると考えられるものも、そうでないものも全て)
筋肉が緊張する 体が冷たくなる 体調の波が激しい
さて、ここで皆さんも自分で書き出してみてください。
状況:(今あなたが気になっていることは?)
思考:(問題状況でどのようなことが頭に浮かんでいるのか?自分自身に対してどのようにとらえている?)
気分:(問題状況で浮かんでいる感情を単語で並べてみるとどのようなものがある?)
行動:(問題状況で自分がしている行動は?変えたいと思っている行動は?)
身体:(現在の身体的な問題は?問題状況と付随していると考えられるものも、そうでないものも全て)
2006年07月18日 11:10:[←ブログメインに戻る][←IFFトップページへ][↑ページ上端へ]
2006年07月21日
CBT講座初日(13)考え方のくせ(1/3)
T:どうでしょうか。なんとなくCBTの雰囲気をつかみ始めている方もいるようですね。繰り返し似たことをやっていきますから、安心してください。また、分かりにくい所は戻って丁寧にすすめていってください。
先ほど確認した、状況を明らかにするところでは色々な問題が明らかになったかもしれませんね。まずは、それらの中でまず何を取り扱っていくのかの優先順位をつけていくことが必要です。
まずここでは、前に説明したABCDEの中で、ABCの状況・思考・感情のみを確認していくことをしていきたいと思います。私たちはありとあらゆる出来事に対して、または状況で好きなような考えが浮かんできています。
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C:ちょっと良いですか。好きなような考えといっても嫌な感情が出てくるのに好きなようにと言うのは分かりづらいのだけど…。
T:はい、そうですね。好きなようにと言いましたが、これは自分にとって好ましいようにと言った意味ではないのです。
勝手に浮かんできてしまう、と言ったほうが適切かもしれません。自動的に考えようとかいうのではなく浮かんできてしまうので、この考えを”自動思考”と呼んでいます。
実際に私たち自身それぞれ考え方の癖があるので、それに従ってといった意味でも好きなようにと言った表現をしています。ありがとうございました。
確かに疑問に思う言葉遣いかもしれませんね。前にこのようなことがありました。ある精神科クリニックでCBTのグループをやっていた時のことです。ちょうど停電になったのですね。その時に、「これは良いチャンスだ」、と考えたんです。人がそれぞれ持つくせが分かり易く出ると思ったので。その場にいた人に「今頭の中に何が浮かびましたか」と聞いたんです。すると、ある人たちは「何が起こったんだろう」と不思議がり、特に感情の変化はありませんでした。また他の人は「何か嫌なことが起こるのではないだろうか」と考え、不安とか恐怖とかが出てきていました。
この人たちの幾人かは、昔虐待された経験などがあって、暗くされることと重なってしまうと言ったことも言ってくれました。また別の人たちは「いつもと違うぞ、何か起こるかな」とわくわくした嬉しいような感情を感じていました。そして最後の人たちは「せっかく今勉強しているのに、なんでだよ」と怒りを感じていました。
さて、いかがでしょうか。全く同じ状況です。でも、考え方の方向がそれぞれ一定の方向を向いていると考えられますよね。このように、人は様々好きなように(また好きと言ってしまいます)物事を捉えているのですね。
先ほど、状況・思考・感情の確認と言いましたが、まさに今の説明もこの状況・思考・感情ですよね。この状況や出来事、それに応じた思考を確認し、結果としての感情を明らかにすること、これをセルフ・モニタリングと呼びます。
皆さんにはできるだけ沢山このセルフ・モニタリングをやっていただきたいと思います。セルフ・モニタリングを重ねていくと、自分の考え方の方向性が分かり易くなってきます。また、時として自分の方向性と違った例外も見つけられることもあるかもしれません。
考え方の癖と言ったものは、この先予定している中核信念と言ったこととも大いに関わっていますので、また説明していきますね。
よろしいでしょうか。(続く…)
2006年07月21日 11:23:[←ブログメインに戻る][←IFFトップページへ][↑ページ上端へ]
2006年07月25日
CBT講座初日(14)考え方のくせ(2/3)
ちょっとここで、読者の皆さんの考え方のくせを確認するために、いくつか例となる状況を仮定してみますので、その際にどんなことが頭に浮かぶのか、それを書き留めてみてください。
状況1 スーパーに一人で出かけた。幾つか必要なものがあったのでそれらを籠に入れてキャッシャーに並び、支払う時になって財布の中にお金が入っていない事に気づいた。
◇あなたの自動思考
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◇結果としての気分は
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状況2 知り合いから「これやっておいてくれない」と頼まれごとをした。その時には特に何も考えずに何とかなるかなぁと考えていたが、いざその頼まれごとに取り掛かってみると難しくて今の自分にはとても出来そうにないことだと気がついた。
◇あなたの自動思考
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◇結果としての気分は
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状況3 電車で座っていたら、斜め前に赤ちゃんを抱えた若い女性が立った。座席は丁度埋まっている。すぐに隣に座っていた人がその女性に席を譲った。
◇あなたの自動思考
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◇結果としての気分は
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状況4 テレビで地球温暖化の特集を見た。その内容は主に、このままでは人類の生存にとって大変になるという危機感を募らせるものであった。
◇あなたの自動思考
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◇結果としての気分は
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さて、いかがでしたでしょうか。自動思考を把握していく際に気がつくこともありますが、人はしばしば浮かべやすい自動思考、すなわち考え方のくせというものがあります。
これらも、自動思考を把握していくことが上手くなっていくにつれ、はっきりしやすくなるでしょう。人は様々な考え方の癖を持っています。それらを明らかにしておくと、自分の感情の修正も行いやすくなっていきます。
これは、短気な人が自分の事を短気だと分かっているが故に、怒ったときにも「ちょっと待てよ」と相手に気分をぶつける前に調整できることと同じです。
まずは、「問題」として自分の考え方を捉えるのではなく、自分の考え方の癖を把握する意味でもCBTは役立ちます。
2006年07月25日 16:15:[←ブログメインに戻る][←IFFトップページへ][↑ページ上端へ]
2006年07月27日
CBT講座初日(15)考え方のくせ(3/3)
T:何か他にも質問はありますか。
B:今日の内容は面白かったけれども、自分の考えをどのようにしていくのか、問題にどのように対処していけるのかはまだ分からないのですけど。
T:はい、もっともな質問ですよね。そのことにお答えするためにも、今日やったことを少し復習しておきましょう。
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まず自己紹介からはじまり、気持ちがいかに考えに影響されているかということ、そして感情についての説明とワークも行いましたよね。
次に、状況を理解していく作業として、各自が現在おかれている状況、問題をはっきりさせましたね。
最後に少し練習として、セルフ・モニタリングを通して考え方のくせをどのように確認していくのかを少し検討していただきました。
まず、今日一緒に検討させていただいた対処の方法として、セルフ・モニタリングを出来るようになることがあげられます。これができるだけでも、かなり有効ですよ。よろしいでしょうか。
次回は思考記録表を使ってどのように問題に対処していくのか、自分の考えを変化させていけるのかを検討していきましょう。
今日の宿題は、感情が動いたことに気がついたときに、その状況、その時浮かんだ考え、そして結果として出てきた感情を確認してそれを書き出してしておいてもらいたいと思います。つまり、セルフ・モニタリングですよね。
忙しい方は夜に一日を振り返ってやっていただいても結構です。いつもセルフ・モニタリングをやっていたら何も手が付けられないので、そこまでする必要はありません。
これで初日の説明を終わります。次からは、2回目の講座内容に入っていきます。
2006年07月27日 10:50:[←ブログメインに戻る][←IFFトップページへ][↑ページ上端へ]