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2007年02月02日
悪意を「飼い慣らす」ということ(3/3)
悪意と、そこから生じる攻撃性は人格成分の一部なのだ。
確かに、これが欠けたかに見える人はいる。そうした人というのは情動統御の能力に長け、子どもっぽい感情の爆発を恥と弁えるだけの心的成熟に達している。しかし、こういう人ほど自らのうちに潜む悪意に気づいていて、それを隠すというより飼い慣らしている。
悪意の持つ開放感のエネルギーを欠いてはイキイキした人生を送れないからだ。
彼らの悪意は他人に向けられず、自己の未熟に向けられる。鍛錬し、技を磨き、無知を智に変えることに情熱を傾けているから他人を羨む暇がない。自分の限界を知っているから、自分の失敗に寛容というのも、この種の人の特徴だ。「しょうがない。もう一回頑張ってみる」と笑って言える人だ。
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誰でもこういう人になりたいだろうが、そうもいかない。というのは、私たちは皆、親を選んで生まれることが出来ないからだ。
まったく不条理なことだが、愛着の対象であるはずの親たちから疎まれ邪魔にされ、時には打擲や性的搾取を受けながら育つ子どもたちがいる。
最近の神経生理学は、こうした子どもたちの右脳の発達が悪いことを明確にした。右脳は無意識に行なわれる対人関係的な情報処理やストレス対処能力に関与するから、その発達不全は深刻な影響を及ぼす。
彼らは人生につきもののストレスへの対応がうまく行かず、「切れやすい子」や「攻撃的な人」あるいは「恐怖にとらわれやすい人」になる。
恐怖を引きずる人とは、最近よく話題になる「PTSD」という心的外傷後遺症になりやすい人のことだ。前に述べた「境界性パーソナリティ障害」とは、このような環境で育ち、それによる影響を受けている人々の振るまいかたである可能性が高い。
例えば秋田県で二人の子どもを殺した女性には、この種の人格障害がみられるはずだ。実子や愛人の子を餓死に追い込む男たちも多分そうなのだろう。
彼らから詳しい履歴を聞き出すことが出来れば、彼らの全てが親たちから安心と秩序の感覚をもらい損ねた人々だとわかるだろう。
斎藤学の講座・ワークショップ
| 講座名 | 日程 | 時間 | 料金 | 対象 | 会場 |
| 斎藤学ワークショップ | 3/3、4 | 14:00〜20:00 10:00〜18:00 | 31,500円 | 一般 | 東京麻布 |
| 斎藤学オープンカウンセリング | 火 | 18:30〜20:30 | 3,000円 5,000円 | 一般 | 東京麻布 |
| 親のための家族相談 | 火 | 18:30〜20:30 | 3,000円 5,000円 | 一般 | 東京麻布 |
※開催日については必ず各講座の詳細ページでご確認下さい