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2006年11月13日

クレプトマニアと罪悪感(ブログ版)その5-3

 知能検査で暴露された、被告人の現実把握(質問への回答)の粗雑さ、散漫さ、誤解・曲解も、生得的なものというより、こうした情緒発達の遅滞に由来するものと思われる。
 また、被告人は小学校時代から煩雑に「放心状態」に陥ることを周囲から指摘されており、母親が教師から注意されたこともあった。成人後の結婚生活でも拘置中の現在でも、時々「どうして私はここにいるのかしら」「私は今何をしていたのかしら」という状態になるという。

 この種の解離(放心・朦朧状態)は、葛藤にさらされた「良い子」が不安や怒りを分裂・排除する際に生じるものである。

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 この傾向は、当然のことながら、被告人の人間関係をごく狭いものにしてしまう。出会った人々の中で、被告人の「良い子」意識を傷つけない人だけが、友人として残されるからである。

 この二つの引用のうち、「引用2」は言うまでもなく Melany Klein の妄想・分裂的態勢と抑うつ態勢に関する所論(「分裂的機制についての覚書」(註1)および「不安と罪悪感の理論について」(註2)を参照したものであるが、今回特集に際して筆者の対談相手となった3人の窃盗嗜癖者たちの心性を理解する上で参考になるものと思われる。

 以下に3人それぞれについてこうした原初的で妄想的な罪悪感がどのような形で嗜癖行為と結びついているかを点検してみよう。ここでは対談に用いられたL男、M子、P子という名前をそのまま用いる。

(註1) Klein,M.: Notes on Some Schizoid Mechanisms,1946.(小此木啓吾 他責任翻訳)メラニー・クライン著作集4. 誠信書房,Pp 3-32,1985.
(註2) Klein,M.: On the Theory of Anxiety and Guit,1948.(小此木啓吾 他責任翻訳)メラニー・クライン著作集4. 誠信書房,Pp 33-54,1985.

木附ブログ

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