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2006年08月22日

心の亀裂(キレツ)(2/2)

(続き)
斎藤学からのコメント

image051014_3.jpg スキマ(隙間)とオモシ(重石)シリーズのひとつとして、このお手紙を取り上げさせて頂きました。

 キレツが広がるというイメージは確かに怖いでしょうね。でもこのキレツは母親の分身である自分が「自分というまとまり」になるときの過程で生じるものですから、そこで立ちすくむようなものではありません。むしろこのことを自覚できるようになることで、この女性(30代半ば)は20年近く取り憑かれていた「嗜癖行動からの自由」への道のスタート地点に立つのです。

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 確かに「自由」は辛いものです。沢山の時間のカタマリが押し寄せてくるような感じがします。今まで過食と嘔吐とその準備(食材確保や食べ吐きの後始末)に使っていた時間がすべて空白になるのですから。それに過食嘔吐によって誤魔化していた怒りや不満や空虚や罪悪感(この女性の場合、それは郷里に残した「かわいそうな母親」と「私なんかと結婚させてしまった夫」に向けられています)に向き合うことになるのですから。
 多くの人々がここで「果てることのない自己分析(という名の自己非難)」というもうひとつの嗜癖の罠に陥り、それが辛すぎてもとの嗜癖行動に戻るか、別の依存対象への没入を始めるのです。

 だから幾分かの「我慢」はどうしても必要です。その我慢とは前回のお手紙の女性にもお伝えしたこと。「何もしないで湧いてくる感情をそのままにしておく」という我慢です。
 感情は自然に湧いてくるもの、そしてひとりでに去って行くものですから、唾や屁みたいなものです。唾なら呑み込めばいい。屁(怒りや攻撃性)は人に迷惑のかからないように
(トイレでこっそり)放出しましょう。
 私のミーティングはトイレのひとつです。ひとりで「自由であることのゆううつ」を「楽しめる」ようになると、そこから作品が生まれると先週書きました。この手紙はそうした「作品」のひとつです。
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木附ブログ

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