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2006年06月27日

変質者とヒステリー(3/3)

(続き)
image060627.jpg 要するに、モレルもマニャンも精神医学プロパーの人々で、こうした人々にとっては変質概念のような遺伝性を持って一定の進行段階を示す精神の病理という考え方が魅力的だったのでしょう。
 早発痴呆にも少なくとも当初はそうした見方がありましたし、その一部は現在のスキゾフレニア研究にも引き継がれています。

 彼らに較べると、ベルネーム(フロイトが彼のもとで催眠を学んだことからドイツ語文献に引用されることが多く、そこではベルンハイムと発音される)にしてもシャルコーにしても、ヒステリー再発見に寄与した学者たちは基本的には内科医です。

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 そもそもヒステリー治療の工夫の中から精神分析学を誕生させたジグムント・フロイトそのものが精神科医とは呼べないのではない人です。ウィーン大学での彼は神経生理学者だし小児麻痺の研究者で、コカインの臨床応用としてうつ病に注目したのは確かですが、いわゆる精神病院に勤務した経験はない。

 シャルコーを引き継いでヒステリー研究を進め、フロイトのライバルとも言えるピェール・ジャネ(コレージ・ド・フランスの実験心理学講座正教授)になると哲学研究から精神医学に転じた心理学者です。シャルコーの死後、ジャネがサルペトリェール病院という精神医学の牙城で不遇だったのはそのせいだと思います。

 こういうことは外部の人々にはわかりにくいでしょうが、主として精神病の患者を診る精神科医と各種の身体疾患の発生に心的因子を発見しようとしてきた人々(内科医、神経病理学者、生理心理学者、精神療法家)との間には意外に深い亀裂があるのです。
 もっとも最近の精神科医の中には、精神療法技法の獲得に熱心な人々も多いということは付け加えておいた方がいいでしょう。
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木附ブログ

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2006年06月27日 14:44:[←ブログメインに戻る]←IFFトップページへ][↑ページ上端へ