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2006年04月06日

癇癪夫から逃げています(4/4)

(続き)
斎藤:ものごとの解決のコツは、その人ごと、その場面ごとに「なにが一番大事か」をしっかりつかむことです。優先順位決定ですね。そしていちどきには一つのことだけに没頭する。
 この場合だったら、「これから先も夫と一緒にやっていけるのかどうか」についてあなたの態度をしっかり固める。その際に他人の変化を勘案してはいけない。この場合であれば、夫や息子の振るまいが変わるかも知れないと思うことが、それにあたります。
 人は弱いもので、愛する者が自分に良くしてくれるようになると信じたい。しかし「他人は決して自分の都合のいいように変わらない」という原則があります。このことを忘れないこと。夫や長男と一緒に暮すことを優先すると、いずれ何もかも失うことになるでしょう。だって夫は今まで以上に居丈高になって癇癪を起し続けるから、いずれ再びあなたは家を飛び出すことになる。長男は、奴隷のようなあなたを見るのが苦しくて、あなたを憎むようになるから、あなたはもっとひどい暴力を息子から受けることになるでしょう。
 つまりあなたは「優しかった長男」も失ってしまう。それでも良ければ、家に戻ってもいいけれど、別の道があるのではないかとよく考えましょう。こういうとき大事なのは、まずあなたが落ち着くことですね。

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image060406.jpg 自分を落ち着かせるために確保すべきものは、あなたの側に立って話しを聞いてもらえる相談相手です。この場合だとまず弁護士、それから精神的苦悩に対応してくれるカウンセラーか、精神科医。つまり最低2人の人物が必要だと思います。
 そのカウンセラーなり精神科医なりが熟練した人であるなら、必ずピア(仲間)との出会いを勧めるはずです。あなたと良く似た経験をしている、あるいはしたことのある主婦か元主婦で、今、同種の問題の渦中にある人か、そこから抜け出した人。抜け出した人のことを「先を行く仲間」といいます。そういう女性たちと語る場を持つ。例えばJUSTはそういう場を提供してくれているはずです。
 仲間と出会うと、弁護士さんの評判から裁判の先行きまで、いろいろな情報が得られます。いろいろな人が私と同じような苦労をしてるんだなあ、と思えるようになるだけで落ち着けるものです。そういうわけで、これからのあなたは今まで知らなかった大勢の人々に出会うことになる。それがあなたを変え、あなたは今よりずっと強く賢くなる。

 そういうことが済んで、あなたの夫への態度が充分に固まってから子どもの問題に入っていく。場合によっては、このご長男とは縁がなくなってしまうかも知れません。いや、暫くの間ですよ。そんな絶望した顔なさるから、私はビクっとしちゃった。

 実はご長男は「強くて柔軟な母」を何よりも必要としているのです。家出前の彼の暴力は夫婦の亀裂を予感して自分の問題に夫婦の目線を移そうとしての試みだったと思います。もちろんそんなこと意識してやってるわけじゃありませんがね。子ども、特に第一子はこういうことを良くするんですよ。実際は今回のように逆効果になってしまうことが多いのですが。そういうわけで、時期がいつかは別として、ご長男は必ずあなたを求めてきます。そうしたとき、どれだけ「強い母」、「毅然とした母」を演じられるかが、あなたにとっても、ご長男の将来にとっても大切なことなのです。

 もし、ご長男が現在のように「癇癪夫」で「子ども返り男」の父を学習し、それで済むと思ったら、彼は世の中から手痛い処罰を受けることになる。自己愛だけが発達した、世間知らずで頭でっかちで、他人をバカにすることしか知らない潜在的暴力男になる。しかしこの種の男は実際には他人からの処罰が怖くて世間に出られないから暴力事件も起こせない。要するに世間にありふれた「引きこもり男」になるでしょうね。
 仮にそこをくぐり抜けて世に出たら、彼は次世代の「女性の敵」になります。そうなることは本人自身に一番良くわかるから、彼にそこそこの智恵さえあれば絶望します。こうして彼が「底をついたとき」(絶望したとき)、彼はあなたに会いに来る。こうしたとき、家の外に出た母が健在であることが彼を救うのです。そうした「強い母」こそ、男に「男の何たるか」を教えますから。私の定義する「男」とは「利他主義に徹することのできる者」のことです。身を滅ぼしても自分に頼る者を守る。妻と子を身をもって保護する。それが男だということを、それが出来なかった男を捨てることで息子に教えるのがあなたの仕事です。
 妻子のために生きられない男が、「世のため、人のため」なんて言うのは悪い冗談です。要するに「強い母」こそ、息子にとっての「父」なのです。

 そうは言っても、あなたのご長男には智恵がなく、だから絶望もしないかも知れない。「男」になんかなりたくない男になるかも知れません。そのときは諦めるんですね。諦められますよ。あなたが自分のために残りの人生を送ろうと思い定めれば。そもそも子どもなんて、当てにできないものだと、この仕事をしているとつくづく思い知らされます。どんなに母親が「この子のために」なんて生きていたって、妻なんて金なしで追い出されちゃうケースが多いでしょ。そうすると金のある方につくんですよ、子どもたちは。冷たいものです。「この子のため」という生きかたそのものが間違えてるんでしょうね。そんなふうに思われている子どもが「母のため」に生きたら、いつまでも「家庭という子宮」から出られなくなってしまう。どこかで母は捨てられるものでしょ。それが今なんだということもあり得ると言ってるんですよ。

斎藤学の講座・ワークショップ

講座名日程時間料金対象会場
斎藤学ワークショップ6/17
18
14:00〜20:00
10:00〜18:00
31,500円一般東京麻布
斎藤学オープンカウンセリング18:30〜20:303,000円
5,000円
一般東京麻布
親のための家族相談18:30〜20:303,000円
5,000円
一般東京麻布

※開催日については必ず各講座の詳細ページでご確認下さい

木附ブログ

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