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2006年03月23日

06年3月22日 晴

image060323_2.jpg 3月18日と20日(土曜/日曜)はJUSTの女性限定ワークショップ(「母・娘」)でした。参加20名前後のこじんまりしたミーティングでしたが、それだけに皆さんと深い話ができたと思います。
 二日間を通じて、私が伝えたかったことは次の二点でした。

#1 人間は自分の欲望というものがむき出しにならないように常時軽くカギをロック(施錠)しておくものだということ。しかしこれをいつも締め切っていてはダメで必要なときにはアンロック(解錠)出来なければならない。
 このことで一番基本的かつわかりやすいのは肛門と大便(ウンチ)の関係で、人間は肛門を常時軽くロックしておくことを早期に「学習」する。こうした学習は「内面化」され、それが当たり前(生まれつき)と思うようになる。しかしこのロックは日に一度ないし数度必要な時に「意志で」アンロックされる。これが健康/健常な排泄欲のありかたです。食欲しかり、性欲しかり。出過ぎ(下痢)は不健康なとき。しかしそれなりに身体が必要としているとき。過食しかり、性欲昂進しかり。

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#2 自己というものを一つと考えてはいけない。自己同一性といった言葉に惑わされないように。

 自己には大きく分けて「A:観察自己=自己を観察して叱咤激励する自己」、「B:対象自己=Aの観察対象となる欲望の塊」、「C:AとBとの関係を調停する自己」の三種がある。
 AとBは常時葛藤しているのが普通で、Aが優位でBが萎縮している人はロボットのように暮し、なぜ生きているのかわからないと感じている。Bが表面に出てAの規制力の弱い人は幼児的で周囲の人を困らせる。AはBを批判し抑圧しようとするので、Bはこれに反撥する。反撥を受けたAは更に規制力を強めBとの対立と葛藤は次第に苛酷なものになりがちである。Cはこの葛藤を緩和しようとする自己の一部であり、Cの力が充分な人を「大人(おとな)」というが、こういう人は少ない。
 始めはCの力が微少なので、これを強化するためにCの代弁者を自分以外の「人物」の力を借りることがある。こうした「人物」をセラピスト(治療者)という。

 以上の二つを併せると、Aがロックする力、Bがアンロックの力、Cはこれらのタイミングとバランスをはかる能力ということになります。今回のワークショップの皆さんには、それぞれの人がどのようなC能力を身につけているかを報告して頂きました。

 ある女性の場合は中学から始まる性的非行(B)が成人期(30歳代)まで続いていました。そんなことができたのは、その女性がA(自己の一部)を「母親そのもの」と勘違いしていて、この実在の人物に怒りを噴出していたからです。母親への反発は彼女の罪悪感を刺激し、Aの肥大を招きました。それに呼応して増大するBの誇大化を抑止するためにこの女性が選んだのは、過食による肥満でした。肥満は女性を性的存在であることからハズします。男性が肥満女性を回避しがちであるという事実を利用するのです。つまりこの女性の肥満は身体を介したAのメッセージでした。今回のワークショップの会場には、その母親も登場していたので、このカラクリが明瞭になったと思います。

 別の女性の場合は、自分に「ある限界を超えて」親しくなる男性に怒りをぶつけてしまう。それがいやだから一定以上に親しくなれないという問題を抱えていました。これは「好きな人=自分の欲望を言葉にしないでもわかってもらいたい」という幼児的欲望(B)に困っているということです。つまりこの女性はA優位な人で、真面目一方で仕事をこなしながら、人生に絶望しています。彼女にはBを言葉にする勇気を持ってもらうことをお勧めしました。それもセラピストという名の他人の前で。セラピストの仕事は彼女の中で育ちきれずにいたCを強化することです。うまく治療が進めば、幼児的BはAの叱責に萎縮することなく、充分に強く大きくなったCに受け入れられるようになるでしょう。

 こうしたことを二日間にわたり、それぞれの参加者に即して検討しました。次の機会には、これをお読みになった方々も参加してください。こうしたワークショップはJUST、IFF、その他が主催すると思いますが、最も近い機会は下記です。

1)斎藤学 2day ワークショップ(広島)
日時:06年5月13〜14日
会場:広島市中区富士見町11−6 エソール広島 3階研修室
定員:40名
問い合わせ先:ひろしま家族機能相談所 Tel/Fax 082-249-4121 http://www.hcff.jp

2)斎藤学 ワークショップ(東京)
日時:06年6月17〜18日(土日)
会場:IFF教育センター(東京都港区)
定員:50名
詳細は近日中にIFFホームページの催し物コーナーに掲載致します

木附ブログ

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2006年03月23日 17:58:[←ブログメインに戻る]←IFFトップページへ][↑ページ上端へ