2012年01月27日
「絆」って何?(3)
考えてみてください。
もし心に染みこむコミュニケーションがある、安心と自由に満ちた家族で育ったおとなが多くいるのだとしたら、『ミタ』に象徴される“現代版の絆”などを必要とする社会になっていたでしょうか。
「無縁社会」だの「孤独死」だのというものがめずらしくない世の中になっていたでしょうか。
親類縁者に囲まれた故郷を「窮屈だ」と感じ、干渉されない都会を目指す人間を生んだでしょうか。
投稿者 iff : 17:07
2012年01月19日
「絆」って何?(2)
一方で、「家政婦のミタ」(日本テレビ)という、ほのぼのとした家族や従来からイメージされている絆の概念とは真逆をいくようなテレビドラマが高視聴率を得ました。
そのヒットの裏には、「かねてからある『絆』というものへのうさんくささを感じている層に訴えたのではないか?」との意見もあります。
たとえば、2011年12月23日付けの『東京新聞』では、同番組が描いたものを「家族崩壊後の現代的絆」と紹介し、「(略)ほのぼのとしたドラマだとうそっぽい。簡単には解決しない状況の中で、それでも希望を見いだしたいという視聴者の気持ちに沿う筋立てだったのでは」と、藤川大祐・千葉大教授のコメントを紹介しています。
また、稲増龍夫・法政大教授は同記事で「震災後、ある意味『絆』が求められたが、それは昔に戻ることなのか、と疑問に思う人もいる。昔の親子関係や絆が崩壊したといわれる今、心の中に染みこんでくる昭和のコミュニケーションとは違う、優しくないミタのオウム返しは極めて現代的」と語っています。
投稿者 iff : 10:55
2012年01月13日
「絆」って何?(1)
新年、明けましておめでとうございます。
このようにブログでご挨拶していただくのも、「新年のご挨拶も、もう何度目になったのか・・・」と考えてしまうくらい、IFFでブログを書かせていただくようになってから長い時間が経ちました。
ずっとおつきあいくださっているみなさん、また、最近になってご覧いただくようになったみなさん、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿者 iff : 14:32
2011年12月31日
『希望の革命』(9)
想像力・創造力を失い、型にはまった考え方しかできない例は、たとえば「指示まちくん」などと揶揄される「ゆとり世代」に象徴されているかもしれません(「ゆとり世代」の若者を批判する論調には異論がありますが、今回は触れません)。
一方、健康上の問題は13年間も続いている年間3万人の自殺や、うつ病などの気分障害の患者数の増加などに見て取れることでしょう。
1996年には43.3万人だった総患者数が2008年には104.1万人となり、9年間で2.4倍にまで増加しています。さらに、2009年の20代〜30代の死因トップは自殺で5割を超えていますが(『平成23年版自殺対策白書』)、その実態は気分障害の増加がもっとも多いのは30代というデータとも重なります(『社会実情データ図録』)。
投稿者 iff : 11:47
2011年12月28日
『希望の革命』(8)
そんな社会では、ひたすら個性を殺し、自ら進んで「長いものに巻かれる」ことで生き延びるしかありません。多様性のある価値観も、生き方もできようはずがないのです。
一昔前よりも多様化が進んだものといえば、働き方くらいなものでしょう。しかしそれも、ある労働組合の方は、こんなふうに断じていました。
「よく、派遣や契約、アルバイトなど、正社員だけでなくさまざまな選択ができるよう『働き方が多様化した』と言う人がいますが、それは違う。経営者の、大企業の都合に合わせて『働かされ方が多様化した』だけです」
今や、非正規で働く男性は539万人で労働者全体の19%、女性では1218万人で女性雇用者の54%を締めています(2011年12月9日『朝日新聞』)。日本の従業員約27%がパートタイム労働者になりました(2011年12月15日『東京新聞』)。年収200万円以下の所得者層が1000万人を超え、低所得者(07年調査では114万円)を示す相対的貧困率は16.0%にも達しています。
不安定雇用を強いられる人たちが就いている仕事の多くは、自分らしさや創造性を必要としないマニュアル化した仕事。流れ作業のように仕事を“こなし”、不平不満があってもおとなしく飲み込んで会社の歯車のような働き方を強いられる仕事。自分らしく意見を述べれば、すぐにクビを着られるような仕事。効率性や経済性だけを追求させられる仕事。
つまり、人として働く意欲や意義を持ちにくい非個性的で非人間的な仕事ばかりです。
投稿者 iff : 14:28
2011年12月26日
『希望の革命』(7)
このフロムの言葉は、ともすると日本の状況を現すときに昨今よく使われる「多様化し...続きを読む "『希望の革命』(7)"投稿者 iff : 13:36
2011年12月14日
『希望の革命』(6)
フロムは言います。 「現在のシステムの中で働いているすべての人間の努力や思考を...続きを読む "『希望の革命』(6)"投稿者 iff : 18:03
2011年12月05日
『希望の革命』(5)
まるで「死の商人」です。 制御する術が確立していなかったことが露呈し、甚大な...続きを読む "『希望の革命』(5)"投稿者 iff : 15:09
2011年11月28日
『希望の革命』(4)
もはや、「原発は安全で低コスト、そして環境に優しい」とは、とうてい思えません。...続きを読む "『希望の革命』(4)"投稿者 iff : 14:17
2011年11月24日
『希望の革命』(3)
フロムがかつて『希望の革命』で書いたのと同様、まさに今、日本は分かれ道に立って...続きを読む "『希望の革命』(3)"投稿者 iff : 11:10
2011年11月15日
『希望の革命』(2)
『愛するということ』(紀伊國屋書店)に出会って以来、邦訳されているフロムの本は、...続きを読む "『希望の革命』(2)"投稿者 iff : 14:21
2011年11月07日
『希望の革命』(1)
私が敬愛する研究者の1人にエーリッヒ・フロムがいます。 ドイツの社会心理学者...続きを読む "『希望の革命』(1)"投稿者 iff : 13:22
2011年10月26日
戦争がなくても平和じゃない(11)
だからと言って子どもに「本当のことを話してごらん」とか「抱えているものを全部は...続きを読む "戦争がなくても平和じゃない(11)"投稿者 iff : 14:13
2011年10月20日
戦争がなくても平和じゃない(10)
もちろん、津波や地震の被害は虐待(不適切な養育)とは違います。 しかし、それ...続きを読む "戦争がなくても平和じゃない(10)"投稿者 iff : 11:07
2011年10月11日
戦争がなくても平和じゃない(9)
子どもはそうやって徐々に、恐怖や不安、寂しさなどのリアルな感情を封印する術を上...続きを読む "戦争がなくても平和じゃない(9)"投稿者 iff : 15:36

