8月に入っていよいよ夏本番。夏休みムードも高まってきました。みなさんは、「夏休み」と聞くと、どんなことを思い出されますか。

私が思い出すのは、自由研究や日記、感想文や絵画などの宿題。それからラジオ体操でしょうか。

もう時効なので、正直に書いてしまいますが、夏休みの宿題が出されると「どうやって楽して仕上げるか」を考えたものです。
とくに毎日継続してやらなければならない日記やお天気記録は大の苦手だったので、日記は「1週間分まとめて書いてしまえ」と適当に書きちらし、天気のほうはまじめに毎日付けていそうな子にあらかじめお願いしておき、夏休み終了間近に写させてもらっていました。

ラジオ体操は、出席した日に判子をもらうという仕組みだったので、「昨日、もらい忘れちゃった」などと嘘をつき、ちょっとだけズルをしたりしながら、とにかく夏休みは「朝寝坊してめいいっぱい遊ぶ!」ということに意欲を燃やしていたような記憶があります。

ラジオ体操の縮小

でも最近の子どもたちの夏休みはちょっと様相が違うようです。
先日も、都内のある住宅街を歩いていたら「今年のラジオ体操は中止です」という張り紙を見つけました。

そういえば、何年か前のワイドショーか何かで「親たちの送迎が負担」、「近所からうるさいと苦情が出た」などの理由で、中止になったり、短縮されたりする傾向があるという話を耳にしたことがあります。真偽のほどは分かりません。

確かに家の近所でも、実施期間は少しずつ短くなり、全体として縮小? の傾向があります。いちばん感じたのは、「音」です。かつては大音量でラジオ体操の音楽を流していましたが、ここ数年はかなり小さめのボリュームになっています。やはり、近所への配慮なのでしょうか。

「休めない」夏休み

ラジオ体操以外にも、子どもたちの夏休みはいろいろ変化しています。
「やれ夏季講習だ」「やれ部活だ」「奉仕活動もしないといけないし、課外授業もある」などなど、「いったいそれって夏休みなの?」という子どもたちが増えています。

そもそも、夏休み自体が短縮という自治体、学校が珍しくなくなっています。なかでも最近、話題になったのが静岡県吉田町です。「来年度から町立小中学校の夏休みをお盆の前後16日間にする」と発表したのです。

その理由を同町の浅井啓言教育長は「新学習指導要領をいち早く先取りした」と説明しています(『朝日新聞』 2017年7月27日)。(続く…

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「新学習指導要領をいち早く先取りした」(静岡県吉田町の浅井啓言教育長)とはどういうことなのでしょうか。

『朝日新聞』(2017年7月27日)によると、2020年に実施される新指導要領では、小学校中学年で「外国語活動」、高学年で「英語」が導入されることもあり、授業時間数が今と比べて年35時間増えるそうです。各自治体は、その時間を捻出しなければなりません。

今回の吉田町が行った「夏休み16日間に短縮」はその選択のひとつでした。

同記事によると、吉田町の夏休みは08年度までは全国でも標準的な39日間だったのに、今の指導要領で授業時間数が増えたため、10年度には30日前後まで短縮となったそうです。
今年度はさらに短くなって小学校は23~24日間、中学校は29日間まで短縮。そして来年度にはお盆前後に10日間程度を休みにし、そこに週末の休みを加えて「16連休」とする予定だということです。

専門家から批判の声も

この「夏休み短縮」の裏には、教員の長時間労働緩和という目的もあるそうです。
授業日数が増えれば、1日あたりの授業時間は当然減ります。また、部活動などの時間外勤務を現在の小学校57.6時間から40時間に、中学校90.1時間を60時間以内に抑える見通しだとのこと。

こうした吉田町の決断をついて、同町を視察した文部科学省の高橋道和・初等中等教育局長は「意欲的な取り組み」と評価したそうですが、子どもはもちろん、保護者からも不満や心配の声が上がっているそうです(同記事)。

また、同記事には「1日当たりの授業時間数を減らしても、教員の帰宅は早まらない」(早稲田大学院の由布佐和子教授)や、夏休みにしたいことを問いかけると「まったりしたい」との返事が返ってくるとして「学校の目の届かないところで子どもが遊べる豊かさを、おとなが忘れてはいけない」(教育雑誌編集長で小学校教員の岡崎勝さん)などの専門家のコメントも載っていました。

「まったり」「のんびり」する時間のない子ども

子どもが「まったりしたい」と答えるという岡崎さんのコメントには、私も深く共感します。
常日頃から私も、子どもたちが「まったり」「のんびり」する時間がまったくなくなってしまったように感じているからです。(続く…

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私が子どもたちの異常な忙しさを感じるようになったのは、震災後です。

次回、子どもの権利条約に基づいて行われる国連「子どもの権利委員会」での日本政府報告審査で意見表明をしたいと思っている小中高生の子どもたちと接するようになったことがきっかけでした。


国連での子どもの意見表明

ちょっとだけ説明させていただくと、日本をはじめ、子どもの権利条約を批准した国は、一定期間ごとに自国の子どもをめぐる状況を国連「子どもの権利委員会」に報告し、その内容について審査を受ける義務を負っています。

この審査の際、「自分(子ども)のことは自分たち(子どもたち)で伝えたい!」という子どもたちが集まって国連に行き、意見表明をする活動は日本のNGOが世界に先駆けてはじめたことです。今までに3回行われていて、私はそのうちの2回に、付き添いのおとなとして参加させてもらってきました。

予定がびっちり

震災後、その4回の日本政府報告書審査で意見表明をしたいと言っている子どもたちと会うようになり、忙しすぎる、そして急かされている子どもたちの状況を目の当たりにするようになりました。

たとえば集まりを持とうと思っても、「やれ部活」「私は塾」「ぼくは課外授業」「こっちは試験」と、集まる日取りをなかなか設定できません。それぞれの年間スケジュール表(学校で配られているようです)をつきあわせて次回の集まりを決めていたのですが、とにかくやることがびっちりなのです。

優秀で生徒会活動やボランティア活動が大好きな、活発な子どもが多く集まったせいもあるのかもしれませんが、びっくりするくらい、どの子も予定が詰まっています。

学校で行う試験以外にも、模擬試験だの、資格試験だの、塾のテストなども抱えていました。さらには自由参加のはずなのに必ず行かねばならない奉仕活動はあるし、高校生以上になると企業やNPOでのインターンと、「のんびり」「まったり」する隙間などまったくありません。

夏合宿にも勉強道具持参?!

どうにかこうにか予定を合わせて実現した夏合宿のときも「合宿後に模擬試験があるから」とか「部活が忙しくて宿題ができてないから」と、ほぼ全員が勉強道具を持ち寄ってきていました。
夕飯の後はドリルを出したりしながらの自主学習がはじまり、低学年の子が高学年の子に勉強の仕方を教えてもらったりしていたのです。

まぁ、もちろん、最後はお決まりのおしゃべりが始まり、明け方までだべっていたという現実はありましたが・・・。(続く…

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