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「もしかしたら、そんなふうに考えるのは本当に私だけなのかもしれない」
・・・そんな不安に駆られる報道を目にしました。4月1日に内閣府が発表した「社会意識に関する世論調査」についての記事です。

なんと「現在の社会に満足している」と答えた人が過去最高の66%に達したというのです。国民の約7割近くにのぼります(『東京新聞』2017年4月4日)。

「社会に満足」が約7割

あわてて目を皿のようにして記事を読むと、回答者の半分近くが60歳以上。さらに「満足」の割合が高いのも60歳以上だと書かれてはいました。つまり「偏った母数による回答」であるというのです。

しかしサンプル数は少ないにせよ30代の回答者の58.7%、18~29歳が67.1%が「満足」と回答しているとあります。若い世代でもやはり「満足」な人が多いということになります。

これについて同記事中で山田昌弘中央大学教授(家族社会学)は、「現在は将来を理想的に描ける時代でなく、現状維持ができればそれで満足との考えが広まっている」と分析しています。

一方、記事中にはこの調査結果を受けて検索サイト「ヤフー! ジャパン」が同じ質問を行った結果も載っていました。それによると、4月3日午後6時半現在で約2万8000人から回答があり、「満足」は27.4%で「満足していない」は72.6%だったそうです。

本当に多くの人が満足?

この結果をどう読んだらいいのでしょうか。たんに「忙しい現役世代が内閣府の調査には参加していないから」と片付けてよいものなのでしょうか。

数年前になりますが、『NHK中学生・高校生の生活と意識調査2012 失われた20年が生んだ“幸せ”な十代』という本が出版されました。そこでも、中高生の約9割以上が「自分を幸せだと思っている」となっていました。

もしかしたら、やっぱり本当に多くの人が「今の日本社会に満足している」のかもしれません。

被災者や被災地を置き去りにして、過去の反省も、心からの謝罪もないまま、「過ぎたことを言っても仕方が無い」と、ひたすら前を向いて経済的な豊かさと自己保身に邁進することが「ポジティブなこと」と本気で信じているのかもしれません。(続く…

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いえ、もしかしたらそもそも「幸せ」の定義が変わってしまったのかもしれません。前回のブログを書いた後、友人から次のようなメールをもらいました。

「『絶望の国の幸福な若者たち』という本の中では、若者の姿として『ユニクロとZARAでベーシックなアイテムを揃え、H&Mで流行を押さえた服を着て、マクドナルドでランチとコーヒー、友人とくだらない話を3時間、家ではYouTubeを見ながらSkypeで友達とおしゃべり。家具はニトリとIKEA。夜は友人の家に集まって鍋』と書いてあるそうです。物や情報は十分あり、成長が見込めない中で現状で小さく満足しているのでしょうか。
でも高齢化や減らない財政赤字、非正規雇用や老後の資金など、これからの若者は大変だと思います」

20年前の言葉が現実に

この友人のメールを読んで、おそらくもう20年くらい前、経済格差だとか競争社会だとか成果主義という言葉が比較的「真新しい言葉」として、マスコミを賑わすようになった頃に取材した経済評論家が言っていたことを思い出しました。

「(経済がグローバル化して)経済競争が激しくなれば、結果として富裕層とそうでない人が生まれるのは仕方がありません。でも、『貧しい』と言ったって昔とはぜんぜん違います。生活に必要なものは100円ショップでそろえられるし、TUTAYAに行けば安く映画や音楽などの娯楽が手に入る。高い金を払わなくてもテレビを見れば十分、海外旅行気分だって味わえる。貧しくたって十分幸せじゃないですか」

それを聞いて唖然呆然とし、「それのどこが幸せなのか!」「そんな世の中は間違っている」と反論した私でした。でも、それから20年近くがたち、結局はその経済評論家が言った通りの「幸せな」世の中に、日本はなったということなのでしょうか。

大きく目を見開いて

友人が言うように、日本の政府が抱える赤字や雇用状態はひどいものです。大学に入っても、生活や奨学金返済のためのアルバイトに追われ、肝心の勉強などほとんどできない学生も少なくありません。よしんば無事、卒業できても奨学金という大きな借金を背負いつつの社会人スタートとなっている若者も大勢います。

経済的な困窮だけでなく、人間関係の希薄化も問題です。「過去を振りかえる」とか「ものごとと真摯に向き合う」習慣が無ければ、自分を確立したり、他者と本音で向き合うこともできませんから、いつでも孤独で寂しいのです。
それでも、気持ちを紛らわすゲームや漫画、お笑いに囲まれていれば、やはり「幸せ」なのでしょうか。確かにたとえ崖っぷちを歩いていたとしても、足下を見ず、現実から逃げ続けていれば、その恐怖を感じずにすみます。

しかしそのツケは、けして小さくはありません。今、安倍晋三首相がいよいよ憲法9条に自衛隊の存在を明文化する案を提唱し、2020年の施行を目指した憲法改正に乗り出しました。
今こそ大きく目を見開き、足下を見つめ、言われるがまま進んだその先に何があるのかを真剣に考えるべきではないでしょうか。

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