「猫の次はマグロ」・・・。
なんだか動物シリーズのようになっていて恐縮ですが、やれ「オリンピックだ」、「甲子園だ」と、華々しい話題が多い昨今、とってもやるせない気持ちになった記事があったので、ちょっと書かせてください。

「葛西臨海水族園で2014年11月以降に発生した謎の大量死を乗り越え、ただ一匹生き残ったマグロが死んだ」 という2015年8月3日付の『朝日新聞』に載っていた、わずか25行程度の小さな記事です。

謎の大量死というアクシデントを乗り越え、「奇跡のマグロ」と呼ばれたそのマグロの死因は、水槽への衝突だったそうです。

同記事には「目の前を横切った別の個体につられるように突然速く泳ぎ出し、水槽に衝突」と書かれ、「7月中旬から2週間ほどえさを食べない異変が見られた」とも記されていました。

ストレスが原因?

その記事を読み、「2014年の大量死は本当に“謎”だったの? やっぱりストレスが大きな原因だったのでは?」などと思ってしまいました。

魚の専門家でもない私が言うのも恐縮な、ネットで調べた知識に過ぎませんが、マグロやカツオというのはとても繊細な魚でちょっとした変化にも敏感に反応するそうです。過去にも年に100匹以上が水槽に衝突して死ぬと事件があったということも知りました。

2014年に同水族館で大量死が起きた頃は、ちょうど大型水槽近くの別の水槽で改修工事が行われていて、「その振動や音が魚にストレスを与えた可能性もある」といった記述も見つけました。

やるせない気持ち

マグロはそもそも雄大な外洋を泳ぎ回る魚です。その魚を水槽に閉じ込め、展示するということに無理は無いのでしょうか。

実は私、あまり動物園や水族館というのが好きではありません。本来の生活環境から隔絶され、展示されている生き物を見ると「この動物(魚)たちは幸せなのかなぁ」と考え込んでしまうからです。

「奇跡のマグロ」と呼ばれながら、水槽にぶつかって死ぬという最期を向かえたマグロの一生とはいったいどんなものだったのか・・・。そんなことを考えると、妙にやるせない気持ちになってしまいます。(続く…

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その生物に適した環境、生きるのに必要とするものから離れた下での適応を迫られると、異常行動を起こすことはよく知られています。

動物園や水族館の生き物だけでなく、ペットにも同様のことが起きます。自ら毛をむしってしまったり、尾をかんだり、自己破壊に走ったり、攻撃的になって飼い主に危害を加えるなどの話は珍しくありません。

ストレスは虐待を連鎖させる

他の生物に比べて著しく大脳が発達し、理性的であるはずの人間も同じです。

たとえば、虐待の世代間連鎖について。子ども時代に虐待された者が親になると子どもを虐待してしまうという話はよく聞きます。しかし、だれもが「親と同じ道」をたどるとは限りません。

アメリカとイギリスで編集された60以上もの研究報告書をもとに、虐待の世代間連鎖の発生率を予測したオリバーの報告では、子ども時代に虐待を受けた者が親になった場合、精神的ストレスが高まると虐待者になりうる者が三分の一いると見積もっています(『いやされない傷ーー児童虐待と傷ついていく脳』 友田明美/株式会社 診断と治療社:初版7ページ)。

こうした事実を見ていくと、その個体が生きる環境がストレスや恐怖に充ちたものになったとき、個体は破壊的な行動・・・たとえば虐待や自殺のような・・・に走らざるを得なくなると考えるほうが自然に思えます。

やるせない事件

マグロの話の次に書くと怒られそうですが、最近同じようにやるせなさを感じた事件がいくつかありました。

ひとつは、東京・杉並区久我山で8月7日夜に行われていた夏祭りでにぎわう商店街で、瓶にカセットボンベが取り付けられた火炎瓶のようなものが投げ込まれ、15人が負傷した事件です。
犯人と見られる男性は、商店街に面した自宅建物から火炎瓶を投げ込み、直後に首を吊って自殺しました。

報道によると、男性は一人暮らしで、「祭りがうるさい」などと近所にもらしていたとのことです。(続く…

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