2015年03月の一覧

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2015年03月09日

機能不全社会(4)

 そんな考えに確信を与えたのは、イスラム国によるふたりの日本人人質事件をめぐる日本政府の対応です。

 驚くことに、ふたりがすでに数ヶ月にわたってイスラム国に拘束されていることを知りながら、救出に向けて積極的かつ有効な対策を取ってきませんでした。

 それどころか、安倍首相はわざわざ中東を歴訪し、歴訪先のエジプトで「イスラム国の脅威を食い止めるべき」と発言し、イスラム国対策として2億ドルを支援することを表明しました。

挑戦状を突きつけたも同然

 自国民がとらわれ窮地に陥っているというのに、全力をあげて救う努力はしないまま、これでは逆に敵に挑戦状を突きつけたようなものです。

 その後、イスラム国が安倍首相が援助するとした2億円と同額の身代金を要求したことや安倍首相に宛てたイスラム国からのメッセージからも、イスラム国側が安倍首相の、ひいては日本政府の対応をどう受け止めたのかは容易に推測できます。

 ふたりが人質になっている映像が公開された後の「今後も国際社会と連携し、地域の平和と安定のために一層貢献していく。この方針を変えることもない」(『朝日新聞』2015年1月21日)という発言も、イスラム国を挑発する要因になったのではないないでしょうか。

血で血を洗う戦いが続く

 結局、ふたりは殺害されてしまいました。

 ほぼ同時期にイスラム国に拘束されていたヨルダン人パイロットは、おりの中に閉じ込められ、生きたまま火をつけられて焼死したと見られています。

 パイロットの殺害が明らかになると、今度はヨルダンが即刻、イスラム国が釈放を求めていたサジダ・リシャウィ死刑囚の死刑を執行しただけでなく、アルカイダ系の別のイラク人服役囚に対する死刑も執行したと報じられました。
(参照元:ヨルダン、リシャウィ死刑囚の死刑執行)(別ウインドー)

 また、ウクライナでも政府軍と親ロシア派が血で血を洗う戦いを続けていることは周知のことです。

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2015年03月31日

機能不全社会(5)

 この3月を振り返っても、「血で血を洗う戦い」は一向に止む気配は無く、一般臣民の犠牲も増えています。

 アラビア半島のイエメンでは、自爆テロによって77人が死亡(3月20日)。チュニジアの首都チュニスにあるバルドー博物館ではイスラム過激派に海外旅行客が襲撃され、日本人3人を含む23人が死亡する悲劇も起こりました(3月18日)。

 報道されることはほとんどありませんが、シリアではアメリカを中心とする有志連合の空爆によって多くの市民が命を落とし、死の恐怖と隣り合わせで暮らしていることでしょう。

 これはもう「社会の問題」を超え、世界全体が機能不全に陥っていると言っても過言ではないでしょう。

拡大する自衛隊の活動

 そうしたなか、自民・公明両党は武力で他国を守る集団的自衛権の行使を可能にする武力攻撃事態法改正などに大枠で合意しました。今後、日本政府は関連法案の条文を作成し、関連法案を成立させていきます。
 そうすれば自衛隊の活動範囲は地球規模に広がることでしょう。

 確かにそこには、海外での法人救出や国際的な復興支援活動も盛り込まれてはいますが、前回のブログで書いた法人救出失敗の顛末や、現在、3.11の被災地で行われている住民軽視、企業の利益や権益の拡大を図る復興の様子を見れば、その言葉も薄っぺらなものとしか感じられません。

テロに駆り立てるもの

 そもそも、なぜこんなにも欧米諸国への怒りが中東地域で噴出しているのでしょう。何が人々を命をかけた危険な行為へと駆り立てているのでしょうか。
 
 もちろん、何があっても人を殺したり、武力を使って思い通りにことを運ぼうとする考えは許されません。

 しかし、中東の歴史を振り返ればそうした行動に駆り立てられざるを得ない人々の気持ちも理解できる気がします。

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