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政治と一体化したマスコミによる世論誘導

image070109.jpg 昨年の秋と同じです。マスコミ各社は自民党圧勝が決まった後になって、まるで用意していたかのように小泉政権が行なった構造改革の問題点、いわゆる格差社会の問題についての報道を一斉に始めました。
選挙前、多くのマスコミはまるで郵政民営化だけが焦点であるかのような報道を続け、構造改革が国民にどのような生活をもたらしているのかということをきちんと伝えようとしませんでした。

政治と一体化したマスコミによる世論誘導。ちょっと横道にそれますが、その怖さは拉致問題についても感じます。
安倍内閣になって担当の首相補佐官が起用され、10月には政府が重点的に報道するようNHKに命令まで出した拉致問題。それは安倍首相が副官房長官を務めた2000年以来、極めて大きく報道されるようになりました。

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1960年代から断続的に起きていながら、ほったらかしにされてきていた拉致事件が、急に脚光を浴びたのです。
拉致問題に熱心に取り組み、北朝鮮脅威論をあおり立てる人たちが、憲法「改正」、軍事増強を唱える人たちと重なることもあいまって、何とも言えない不安を覚えます。

偶然の一致なのか15日には、防衛庁の省昇格関連法や「改正」テロ対策特別措置法も成立しています。
これらの法案を可決させ、自民党政治家から「保守本流に戻った」と喝采を浴びる安倍政権。「戦後体制からの脱却」を掲げる安倍首相。彼が次に照準を定めているのは憲法「改正」です。

改めて子どもの権利条約を広める重要性

取材やNGOの活動のなかで出会う親の愛を渇望する子どもたち。臨床の現場で出会う親(世間)の期待でがんじがらめになったおとなたち。そうした方々の現実を見たとき、私には安倍政権が指し示す先に人々が幸せなる社会を想像することはできません。

自分の親からされたことを振り返ったとき、規律と統制、すなわち「上から押しつけられた価値」を子どもに植え付けることで子どもが“よく育つ”と思えるでしょうか? 一部のエリートのための社会で子どもはすくすくと育つでしょうか? そんな子どもたちの犠牲の上に築かれた日本は、本当に「美しい国」でしょうか?

私たちは早急に「教育の原点」を取り戻さなければなりません。子どもをめぐる現状が厳しさを増す中で、今度こそ現実をともなった「教育の原点」を確立していかねばなりません。そのために役立つのは、やはり「教育の原点」を示した国際条約であり、国内でも強い拘束力を持つ子どもの権利条約です。
改めて子どもの権利条約の持つ理念、そして重要性を改めて広めていきたいと思います。(終わり)

image070110.jpg 新年、明けましておめでとうございます。昨年は、このブログも始まり、貴重な機会を得た年でした。また、みな様からは、ブログへのご意見やアドバイス、質問などもいただくことができました。ほんとうにありがとうございました。

昨年中はどうしても重たい話題をテーマとすることが多かったのですが、本年はもう少し明るい話題も提供していきたいと思っております。引き続きお読みいただけると幸いです。

ところで、このお正月はどのように過ごされたでしょうか? 私は例年通り、ともに暮らす犬と猫と一緒に、入れ替わり訪れるお客様をお迎えしたお正月でした。


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わが家には6歳になるゴールデン・レトリバー(♀)と「推定」9歳の三毛猫(♀)がいます。「推定」なのは、迷い猫だったため正確な年齢が分からないからです。
今では日がな一日、お気に入りの場所を探しては昼寝をし、わが家のだれよりも自由気ままに暮らしている猫ですが、実は苦労をしてきたようです。

いじめられ猫だった時代

猫が一緒に暮らすようになって一年ほどたった頃のこと。当時まだ子犬で、近所しか歩けなかったゴールデン・レトリバーの散歩をしていると、猫も必ず後についてきました。近所では「犬の後を着いて散歩する猫」としてちょっと注目を浴び、いろいろな人に声をかけられました。

そうした人々から聞いた話からは、さまよっていた頃の大変な生活がしのばれました。曰く
「○○さんちで水をかけられたのを見た」、
「××さんちの庭で出産し、保健所に連れていかれそうになって子猫を一匹だけくわえて逃げていった」、
「子どもに棒きれを持って追いかけられていた」
・・・などなどです。

確かに出会った当初の猫は、とても人間を警戒していました。今とはまるで別猫のようにガリガリで、毛づやは悪く、犬歯も折れ、お世辞にもかわいい猫には見えませんでした。いつもビクビク怯えて、様子をうかがい、こちらが近寄ろうとすると逃げてしまいます。体が小さく、力が弱かったため、猫の間でもいじめられていたようでした。

そもそも彼女が一緒に暮らすことになったきっかけも、彼女がいじめられ猫だったからです。近所の大きな猫に追いかけられ、わが家の縁の下に逃げ込んできたことでした。ひどく痩せていた彼女は、縁の下の小さなスペースに隠れることができるのですが、大猫は入ることができなかったため、そこが絶好の逃げ場所だったのです。

それから他の野良猫と一緒にたびたびわが家にご飯をもらいに来るようになりました。でも、彼女はいつも他の猫たちの後ろに、ちょこんと座っているだけ。せっかくあげたご飯はみんな他の猫に食べられてしまいます。(続く…

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別猫のように強くなって

彼女が別猫のようになったのは、わが家の縁側で子猫を産み、その子猫たちを無事、里子に出した後。「この家は安全」と安心したのか、少しずつなついてきました。帰宅すると玄関前で迎えてくれるし、私が家にいると中をうかがって鳴いたりします。

当初は庭で外猫として飼うつもりでしたが、北風が吹く季節に寂しそうに窓ガラスからこちらを見つめている姿を見ているととても心が痛みました。

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「ここまでだよ」
そう言い聞かせて玄関先に入れたが最期。いいつの間にか、リビング、こたつ、私の寝室・・・。次々と家の中が、彼女にとって居心地のいい空間に変わっていきました

すっかりわが家の猫となったある日、びっくりするようなことが起きました。あの大猫が家の庭を横切ろうとすると、彼女が毛を逆立てて庭に走り出たのです。
「家に入ってこないでよ!」とばかりに、体を膨らませて声を上げる彼女に、怯えていた頃の姿はみじんも感じられませんでした。

それからというもの、大猫が家の庭を我が物顔で歩くことはなくなりました。どうも彼女に対して一目置いている様子です。何度かケンカもしていますが、お互いの存在を認め合い、「嫌だけど共生する」雰囲気が出来上がったようです。今では、それぞれのテリトリーを意識し合いながら暮らしています。

今では、20キロ以上もの体重差のあるわが家のゴールデン・レトリバーに猫パンチをくらわせたり、うるさいほど鳴いて人間に何かを要求したりしています。
近所に来た工事業者のトラックに乗っかって遊んだり、近所の家の庭に探検にでかけたりなど、好奇心もいっぱいです。(続く…

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居場所があれば人生はやり直せる

今、私の布団に潜り込み、揺すっても起きないほど熟睡している彼女を見ていて、つくづく感じること。それは「居場所(安心できる関係性)があれば、こんなにも自信を持ち、好奇心を満たし、自由に振る舞ことができるんだ」ということです。

そして、どんなに過酷な過去を持っていても、「居場所ができれば人生をやり直せる」ということです。

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それはかつて私が、非行少年やホームレスの方々と接するなかで実感したことと同じでした。
確かに人間は、知的能力が高く、複雑な脳を持っている分、動物のように簡単に過去を乗り越えることはできないかもしれません。年齢を重ねるごとに過去を乗り越えることは困難になるでしょう。

それでも、やっぱり「やり直しのきかない人生などない」のです。自分が出会った人々(や動物)たちの経験から、そう確信できます。
その思いを胸に、今年も多くの人たちのお話を聞かせていただきたいと思っています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。(終わり)

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問題の多い「改正」教育基本法の成立や年末年始などがあり、「道徳や説教で子どもが救えるか?」で予告した「子どもたちが本音を語ることができずいる現実」について書く機会がなかなかありませんでした。予告を読まれていた方々に、お詫びいたします。

この間、政府の教育再生会議は、教職員、加害者や傍観者の子どもへの懲罰的な意味合いの強い「いじめ問題への緊急提言」(2006年11月29日)を出しました。文部科学省は子どもの声を重視し、「本人が『いじめられている』と感じたら、いじめである」との新しい定義を発表。いじめや自殺の調査を抜本的に見直すことを決めました(2007年1月19日)。

また、いじめを受けていることを学校に相談した後輩を集団で暴行したとして、都立定時制高の生徒4人が傷害容疑で逮捕される事件なども起こりました。


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そうした中、この24日には教育再生会議が安倍晋三首相への第1次報告を提出。そこにはいじめ対策として、加害者の出席停止措置や、学校教育法で禁止している体罰(実際には依然として存在しています。「子どもの声を国連に届ける会」2参照)の見直し、教師が「毅然たる指導」ができる体制づくりの必要などが書かれていました。
安倍首相は、この報告を受け、学校教育に関わる三つの法案の「改正」案を今国会に提出するそうです。

ところで、今回は触れませんが、第1次報告には「『ゆとり教育』を見直す」として、授業時間数の増加を促したり、高校での奉仕活動の必修化を提言したりするなど、見過ごせない問題が多々あります。
いずれ、これらの問題にも取り上げていきたいと思っています。(続く…

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