
カウンセリングでは、「主訴」というものを最初にお伺いします。カウンセリングの入り口に当たる、大切なものです。主訴とは、皆様が現在どういったことで困っているのかということです。
当相談室では、主訴として皆様が口にしたそのままの言葉を大切にしています。
たとえば、
「何もやる気が起きなくて、まったく外に出られない。」
という主訴が語られた場合、簡単に「うつ」とか「ひきこもり」といった言葉にまとめてしまうこともできますが、こういう言葉でくくってしまうと、カウンセラーはそれにとらわれてしまって、実際に皆様が何を感じていて何を重要としているのかが見えなくなってしまうことがあります。
こうなるとカウンセリングはやがて行き詰まってしまうわけです。
カウンセリングは、主訴として語られた状態が改善され、皆様が楽になることをめざして進められます。
主訴はつねにカウンセリングの軸となる大切なものなのですが、カウンセリングを進めてゆくなかで主訴が変わってくるということもあります。また、主訴だと思って語られていたことがカウンセリングを進めていく中でよりはっきりとして、違うものになっていくこともよくあります。
これは、現在の不安・恐怖などが過去のトラウマからきていることへの気づきや、子どもの摂食障害が実は夫婦間の問題があってこそ続いているということへの気づきなどが生まれていくことによるもので、カウンセリングが順調に進んでいることを示していると言えます。
主訴の大切さこのように、主訴を正確に捉えてゆくことはカウンセリングで必要不可欠ですが、皆様がどういう状態にあって何を感じているのかをさらに深く理解することで、より効果的なカウンセリングにつながってゆきます。
そのためには皆様の家族歴や生育歴、そして問題の経過などをできるだけ詳しく掘り下げて聴いてゆくことが必要となるのです。
また、最初から主訴をはっきりと訴えることが難しい人もいます。余りにも自分が追い詰められているように感じる状況にいたりすると、問題をつかむこと自体が難しくなります。
そのような時には、何が問題なのかを少しずつ状況を解きほぐして、一緒に探していく作業を丁寧に行っていきます。
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