
疫学調査では、人口の1〜2%程度に存在し、女性が男性の2倍いると言われています。また本疾患患者の増加も指摘されています。
精神科外来患者の約5%強、精神科入院患者の約20%と推定されています。
患者の75%が女性であり、気分障害(感情障害)や物質関連障害などを合併することも多く確認されます。
境界性パーソナリティ障害の原因として、かつては3歳頃までの矛盾した愛着関係が指摘されたこともあります。
しかし現在は「幼少期のトラウマ体験」と「生理学的な脳の脆弱性」が指摘されており、幼少時よりの長期間に及ぶ否定され続けた(あるいは肯定されない)経験と生物学的な脆弱性の相互作用によって生じると言われています。
以前特集した「トラウマ」とも関連する部分があります。
境界性パーソナリティ障害の人がいる家族に目を向けると、親子間の世代間境界が曖昧であり、父親、母親、子どもそれぞれの家族内における役割が不明確になっており、お互いに認め合いサポートする関係が成立していません。
つまり、関係においては
といったことがあげられます。
その結果として関係は葛藤に満ち、表面的にはどうであれ怒りや敵意などの激しい感情が渦巻き、相互のサポートに乏しいといった機能不全家族に見られる傾向が多く確認されることになります。
境界性パーソナリティ障害の患者の第一度親族には、一般人口に対してこの疾患が約5倍多く見られることからも、家族関係の重要性があげられます。
社会心理学の領域及び家族療法の視点より見ると、社会自体の不安傾向と、それを家族という殻で守れない状況、核家族化の影響も考えられます。
発達心理学の視点から見ると、青年期における自己同一性の確立が難しくなっており、同一性が定まらないままに拡散傾向にあり続けてしまうことによって生じているものとも見ることが出来ます。
いずれにせよ、原因を特定することは難しい状況ではありますが、様々な有益と思える知見が出されているのが実情です。
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