「セルフケア」のすすめ

「セルフケア」について、そして「セルフケア・ワークショップ」の目的や内容について、詳しくお伝えしていきます。
ワークショップに参加する方、検討中の方、参加はしないけれどセルフケアには興味があるという方、よかったらご一読ください。
ご自分にしっくりくるところだけ、受け取っていただけると幸いです。

セルフケアワークショップにご参加の方、お会いできることを楽しみしております。(次回は9月30日です

IFF・CIAP相談室カウンセラー 臨床心理士 黒木美佳

なぜ、セルフケアが必要か

花みなさんは、「セルフケア」という言葉にどんな印象を持っていますか?
自分の健康管理をすること、自分の世話をすること、自分に関心を向けること、自分の面倒をみること、自分を大切にすること、自分を癒やすこと、などなど。
人によっていろいろな印象を持っていると思いますが、共通しているのは、「自分を見守り、助けるまなざしをもつこと」ではないでしょうか。

自分のいいところも悪いところもまるごと受け止めて見守ってもらえていると信じられること、必要なときに助けを得られると感じられることは、私たちに深い安心感をもたらします。
そしてそれを他者に求めたい気持ちを持つことは自然ですが、うまく応えてもらえなかったり逆に傷つけられたりすることもあります。

特に幼いころから否定的・拒否的なまなざしを向けられたり、傷つく体験が繰り返されると、自分は見守ってもらえる価値のない人間だと思うようになったり、不安や心細さが強くなったり、傷つけられることを恐れて萎縮したり、助けなど得られないと思い絶望したり、周りへの怒りから拒絶的な態度をとるようになったり、自分で自分をネグレクトするようになることもあります。

自分の自然体のふるまいを拒絶されて深く傷つくと、相手から少しでも受け止めてもらうために、素の自分ではなく相手の気にいるような人になろうとすることもあります。

このセルフケアワークショップをアダルトチルドレンのために開催することにしたのは、機能不全の家族で育つことの影響として、セルフケアに必要な力の芽生えと成長を阻害されたことに伴う生きづらさが、とても大きいと感じるからです。
と同時に、カウンセリングやグループでお会いする方々が、自分を見守り、助けるまなざしを少しずつ自分のなかに育てていくにつれ、その人なりに回復・成長していく姿を見てきているからです。

きっかけと安全な環境・方法があれば、自然と私達の心は傷を修復し、成長しようとします。そうした安全な環境・方法が、日常のなかで得られればいいのですが、なかなか得られない現実もあるため、1つでも機会を増やせればと、このワークショップを開催しています。(次回は9月30日です

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セルフケアするために必要な力(自助力)とは何か

花自分を見守り、助けるためには、自分を大切にする感覚を育て、助けるための力を発見し、助ける方法を知ること、そうした経験を重ねていくことが必要です。セルフケアをする力は学んで育てることができます。それはいつから始めても遅すぎるということはありません。

セルフケアに必要な自分を助ける力(自助力)とは、安心感、自己受容の感覚、ストレスと付き合う力、自分を癒す力、人から助けを得る力、今・ここを楽しめる感覚や創造性など、自分を支え、助けるあらゆるリソースです。

それらには、生まれてから成長していくなかで獲得し育まれていくものもあれば、生まれ持っていて自然に活用しているものもあります。そして私たちはそれらを無意識的に活用していることも多いので、本人は自覚していないことも多々あるようです。

どんな環境にあっても、今までサバイブしてきたなかで、その人なりに自分を助ける力を精一杯育んできています。相手が助けてくれなかった、受け止めてくれなかったとしたら、それは相手の問題です。相手にその力が無かったということです。

そして、それでもなんとか生きてきて今ここにいる自分のなかには、確実に育っている力があるはずです。そこに気づけたらもう少し自分を信頼して、力を抜いて生きられるかもしれません。(次回は9月30日です

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人から助けを得る力を育むには

花セルフケアと言うと、《人に頼らず自分で》やるべきことというイメージを持たれることもありますが、《人から助けを得る力》も大切な自助力です。

私たちは、「自分のことは自分でするべき」とか、「人に迷惑をかけてはいけない」というメッセージをいろいろなところから浴びて育っていることが多いのですが、実際には完全に自己責任で人に頼らず生きていくことのほうに無理があります。

ある程度、自分でできるところは自分で、ある程度、人に頼るところは頼って、ということでいいのではないでしょうか。

《人から助けを得る力》を育てるには、まず、自分が人に頼ることがあってもいい、と自分に許可をだすことが大事です。

それから、もう一つ。人から助けを得る力を育むには、「人から助けを得ることができると信じる力」を取り戻すことが必要です。それには自分が人から受け入れられる体験を増やしていくことが効果的です。

セルフケアワークショップでは、セルフケアという共通の目的を持った人の輪のなかで、安全感と自分の居場所を感じ、自己表現をし、互いを尊重しあう感覚を共有していくことで、自分を助ける力を育んでいきます。お互いの境界線を守り、安心できる距離感を大切にしながら交流をしていく練習の場でもあります。

人間関係で傷ついてきた経験や、緊張などがハードルになってグループの場は難しい、という場合もあります。だからこそ、お互いを尊重する感覚をグループで共有できたなら、そこから得られるものは大きいでしょう。

そうは言っても、深く傷ついてきた経験などの影響で、「人から助けてもらえるはずがない」と思うようになっていたり、人とのかかわりを避けることで自分を守っていたりする場合、「人とのかかわりを通して」というやり方自体がとても無理なことのように思えても仕方ありません。

頭では、害になる人間関係もあれば、助け合える人間関係もあり得るとわかっていても、見極めが難しかったり、自分を守ることに精一杯で、孤独を選ばざるを得ないこともあります。

そういうときに自分を叱咤して無理やり人とかかわる必要はありません。むしろ、孤独を引き受けてまで自分を守っていることは今の自分の精一杯の自助力だと自分を肯定してほしいと思います。そういう時期には、グループではなく個別のカウンセリングのほうがいい場合もあります。

また、人ではなく動物や自然に触れることで得られる安心感が、自分を支えてくれることもあります。自分が少しでも安全に感じるものと、苦しくない範囲でつながってみる、それでじゅうぶんです。そして、いつか、人とのかかわりを信じてみる勇気が出せそうだと思える時が来たら、それが一歩踏み出すタイミングです。それまで、自分を急かさず、責めずに、待ちましょう。(次回は9月30日です

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楽しめる感覚や創造性の大切さ

花ところで、子どものころにいろんなお話やキャラクターを想像して遊んだり、落書きしたり、歌ったり体を動かしたり、特に意味もなくいろんなことをして遊んでいたおぼえはありますか? 時が経つのも忘れて夢中になったこともあったでしょうか。遊んでいる間は、嫌なことも忘れられたかもしれません。

遊びは、楽しめる感覚や創造性を活性化する活動であり、私たちの心身の成長に欠かせないものです。遊びを通して得ることのできる楽しめる感覚や創造性は、一生を通じて私たちを守り、主体性とエネルギーを生み出す大切な自助力です。

ただ、残念なことに、場合によってはそうした遊びを妨げられて悲しい思い、悔しい思いをした人も多いです。遊ぶことや楽しむことに罪悪感を持ってしまう場合もあります。ただ、その罪悪感は学習されたもので、手放してもいいものです。私たちには楽しめる感覚や創造性が生まれながらに備わっています。一人ひとりいろんな形で。

楽しめる感覚や創造性を活性化する活動=《遊び》は、本来なら出来不出来にとらわれず、自由に没頭して楽しめるはずのものです。

けれども、成長するにつれて周りからの評価を気にするようになったり、いい評価を得ることや上達のために努力することが優先して純粋に楽しめなくなったりすることもあります。

自分は下手だからダメ、センスがない、人にどう見られるか不安、恥ずかしい、などの理由で敬遠されてしまうこともあります。とても残念なことです。

作品やパフォーマンスの出来不来に関係なく、そのプロセス(描くこと、想像すること、語ること、体を動かすことetc)をじゅうぶんに楽しむ。そのこと自体が、自己表現であり、自分を肯定することであり、大きな癒しと成長の力を持っています。

また、子どもからおとなになっていく過程で、遊びを子どもっぽい、くだらないもののように軽んじて、遊ぶことも遊びごころを持つことも封印してしまうことがあります。

それは楽しめる感覚や自由な発想、創造性を封印するようなものです。さらに、遊びは私達が現実と折り合いをつけて生きていくために必要な心のスペースを作ってくれるものでもあるので、それも失くしてしまうようなものです。

人は遊びが無くなると、自分の気持ちや欲求を無いことにしてやるべきことにばかり追われて苦しくなったり、息抜きや意味のないことをすることを自分に許せなくなったり、いきいきとした自分を出せなくなったり、燃え尽きたり、閉じ込めれられたような生き苦しい状態になってしまいます。

そういった状態から、少しずつ自分の遊びごころを解放していけると、自助力がぐんと育ちます。セルフケアワークショップは、遊びごころのリハビリ&ストレッチの場でもあります。(次回は9月30日です

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自分を助ける力にふれる体験を重ねる

花セルフケアワークショップでは、リラクゼーションや、言葉やイメージ、身体の感覚や動き(ボディムーブメントセラピー)、いろいろな素材を使って表現する体験(アートセラピー)など、様々な表現セラピーの方法を使って、自分のなかにあるリソース:自分を助ける力にそっとふれてみる体験をします。

午前のワーク1では、場に慣れていただくことと、安全感を育てるワークをします。
午後のワーク2では、いろいろなワークを通して、今の自分の気持ちを受け止めたり、自分のなかにある自助力を見つけたり、表現したりしていきます。
最後のワーク3では、グループ全体で共有したり協力したりしながら、ワークに取り組みます。

1日を通して、お互いを尊重しながら、安全に場を共有して、一緒に遊ぶ、そういうことです。楽しめる感覚や創造性は、主体性とエネルギーを生み出すものであり、自分のなかに安全なスペースを築き、なぐさめ、力づける大切な自助力です。ワークショップのなかで、自分の遊びごころに触れ、少しずつでも解放することができたら、それが癒やしと成長につながっていきます。

そうした体験を、少しずつ積み重ねていくことで、自分の内側に自分を助ける力を育み、定着させていくことができます。がんばらなくていいので、今の自分にできる範囲で、少しずつ自分のお世話をしていきましょう。(次回は9月30日です

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