
再開発が進んで寂れてしまった埼玉県のある商店街に住み着いていた三毛猫のミーちゃん。ところがある日、ミーちゃんが行方不明になってしまいます。
通勤通学途中で毎日ミーちゃんにゴハンをあげていた人たちや、商店街の料理屋さん、金物屋さん、美容室の人など、ミーちゃんを可愛がっていたみんなが総出でミーちゃんを探します。そして
「ミーちゃん、見つかった?」
を合い言葉に、商店街には立ち話をしたりお互いお店の前を掃除しあうような関係がつくられ、商店街を通り過ぎていた人々の間に、輪が広がっていきました。
そして、ミーちゃんがいなくなってはじめてみんなは、ミーちゃんが「ただそこにいる」ことで、たくさんの人が励まされ、癒され、助けられ、生きるエネルギーをもらっていたことを知りました。
ミーちゃんを通して、みんなが損得を忘れて飾らない付き合いができ、助け合えていたことを知りました。そう、ミーちゃんという小さな存在が「人はひとりでは生きていけない」という、人生で忘れてはいけない大切なことを教え、みんなに幸せを与えてくれていたのです。
地域猫についてだけでなく、地域や人とのつながり、人に頼って生きることしかできない小さな存在が秘めた価値、人が“人間らしく”幸せに生きるとはどういうことなのかを考えさせられる本。